この研究課題の目標は、動作主にまつわる項の具現に関する現象について、語彙意味論の観点から考察し、言語の普遍性と個別性につながる知見をもたらすことであった。研究期間を通して、興味深い現象とそれにまつわる規則性を見出すことができた。中国語の目的語に動作主の解釈がある構文を中心に考察を行った結果、動詞単独ではなく、動詞に別の要素が付随する場合に当該の現象が可能となるという一般化を提出した。また、日本語や英語の現象の考察も行い、語彙の意味を構造的に示すことが有効な手かがりであると示した。研究成果として、本(5冊、単著と共著含む)、論文(3本)、口頭発表(4件)を公表した。
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