韓国語の尊敬形‘-si-’は日本語の尊敬語より使用範囲が広いが、高めるべき相手に対して常に‘-si-’が用いられるわけではない。一連の会話において使われたり使われなかったりするが、その基準はまだ明らかになっていない。本研究では‘-si-’の不使用基準を明らかにすべく、ドラマのシナリオと話し言葉コーパスを分析したほか,韓国語母語話者を対象にアンケート調査を行った。その結果、社会的関係や親密度だけでなく、発話時の話し手の心理的態度や発話内容,文の機能や文法的要素等が‘-si-’の使用・不使用に総合的に影響を与えていることが確認できた。研究成果の一部は国内外の学会で発表し、また論文にまとめた。
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