研究課題/領域番号 |
17K13450
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
芝垣 亮介 立教大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (70631860)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 2次述語 |
研究実績の概要 |
今年度はコロナ禍であり、予定していた研究出張が行えなかったため、当初の研究実施計画より遅れることになった。また別記に詳細の通り、研究費も出張費にあてていたものが使用できず次年度への持ち越しとなった。そのような状況の中、研究目的であった2次述語の理論分析に関しては概ね予定通り進められた。そこでは被験者の数こそ当初予定より減ったが、2次述語の持つ使役性を実験を通して確認することができた。これは、Levin&Rapport Hovav(2001)などでも提唱されている内的使役述語や外的使役述語などの使役述語が非使役述語と二元論的な様相を示しているのではなく、実際には一つのスケールに乗っており、その両端ではジャッジメントがはっきり出るが、スケールの中央付近にある述語についてはジャッジメントが揺れる傾向にあることを示した。これは長年中国語の当該分野に存在するジャッジメント問題に対して、なぜジャッジメントに揺れが存在するのかということを、単なる個人の判断の違いというものではなく、どうして特定の語には判断の揺れがなく、それ以外の語に判断の揺れが多いのかを、理論的に説明することができた。この研究の成果は、2020年10月に行われたSecondary Predication Workshopにて口頭発表を行い、その後2021年3月に同学会のプロシーディングズとして刊行された。この発表では、数多くの質問が寄せられ、関心が高かったことが伺えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍であり、当初予定していた出張、データ収集が行えなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きコロナ禍であるが、オンラインによるデータ収集のノウハウも貯蓄されたので、オンラインでの研究を進めたい。研究費は、オンラインでの環境整備と、研究の幅を広げ、言語の歴史的観点からも分析を進めるため、辞書(古書)の購入にもあてたい。コロナが終息した折には、当初の予定通り現地でのデータ収集を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、コロナ禍であり研究出張に行けなかったためである。使用計画として、辞書(古書)購入や、データ収集のための国内旅費を予定している。
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