今年度は、コロナウィルスの蔓延による影響のため2020年度に執行できなかった研究費を活用し、延長期間として研究活動を行なった。研究計画時に予定していた海外出張(米国、英国)は実現できなかったが、調査方法を筆頭に研究内容に修正を加え、現状の中で実際に行える研究を遂行した。結果的には、2021年度後半より国内出張を行うことができ、一定の研究調査および成果に結びつけることができた。
研究成果について具体的にかつ簡易にまとめる。2次述語の研究として、International Workshop of Secondary Predicationに参加し、そのワークショップの発表者より査読のついた論文集を出版するというものである。これはMouton-Ninjal Library of LinguisticsのシリーズとしてDe Gruyter Mouton社より発刊されるものである。報告者はここで中国語の2次述語の容態について新たな提案をする。それは語彙意味論的分析と統語論的分析がリンクする領域において、中国語の2次述語を用いた文を分析し、そのリンキングを含めた性質に言及するものである。これは報告者がこれまでに行なってきた研究や、さまざまな先行研究に積み重ねるものであり、中国語の2次述語研究の一側面について決着を見るものである。
また本科研費による研究調査結果は、報告者の2022年度より受諾している研究にも活かされる予定であり、本科研費による研究は、その成果そして今後の継続性という両面において意義深いものになったと考えている。
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