研究課題/領域番号 |
17K13458
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
ホワン ヒョンギョン 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (80704858)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | Acquisition / IDS / ADS / Korean / Japanese |
研究実績の概要 |
本研究では日本語と韓国語において、幼児の音素獲得の過程を音響音声学的知見とともに心理言語学的実験によって明らかにする。また、日本語と韓国語の対照を行い、音韻体系が異なる言語間にどのような違いが存在するかを一般言語学な観点から考察することを目標としている。 2019年度は日本語において、Habituation-Dishabituation paradigmを用いて得られた幼児の閉鎖音の区別に関する研究結果、およびInfant-Directed Speech (IDS)とAdult-Directed Speech (ADS)で現れる閉鎖音の音響的な特徴を比較した研究結果をまとめ国際シンピジウムLearning Sounds of Asian Languagesで招待発表(タイトル:ACOUSTIC CHARACTERISTICS OF MOTHERESE AND EARLY PERCEPTUAL DEVELOPMENT:A case study of Japanese stops)と国際学会 International Congress of Phonetic Sciences 2019で(タイトル:Shift of voice onset time and enhancement in Japanese infant-directed speech)発表を行った。韓国語に関しても 国際学会 International Congress of Phonetic Sciences 2019で成果を発表した。(タイトル:KOREAN MOTHERS’ PRODUCTION OF LARYNGEAL STOPS TO THEIR INFANTS AS COMPARED WITH ADULTS IN THE CONTEXT OF TONOGENESIS) また、2018年度に得られた音声データの音響分析のためアノテーションを行った。日本語は3-5歳児の破裂音のアノテーションはほぼ終了している。また、日本語およびソウル方言と比較しデータが少なかった韓国語の慶尚南道方言に関しては、追加に幼児5名のデータを得られ分析の準備をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究が行われていた研究機関から教育機関に所属が変わり、研究時間が前年度に比べ少なくなったため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は引き続き日本語と韓国語(ソウル方言、慶尚南道方言)において乳児のデータの音響分析を行う。閉鎖音だけでなく、先行研究が非常に少ない摩擦音やaffricateの発達も分析することで幼児の子音獲得全体を調べることができる。子音全体の発達の特徴が明らかになることが期待される。 また、音響分析の結果を用いて日本語と韓国語における幼児発話の比較を行う。言語間、方言間の比較ができるので言語や方言の差が子音の習得にどのような影響を及ぼすかが分かる。 さらに、産出研究の結果をもとに知覚研究の準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究機関から教育機関に所属が変わったため、データ収集などの費用が次年度使用になった。この費用は追加のデータ収集に使用する予定である。
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