語は句と同様に統語部門で形成されるという分散形態論の仮説を採用し、両要素の特徴を併せ持つ表現の記述・説明を行った。特に、記述属格と名詞で構成される複合表現(例:women's magazine)を対象とし、それが示す句のふるまいおよび語のふるまいをリストした後、それぞれに対し分散形態論の見地から説明を与えていった。結論として、当該表現が示す句のふるまいのみならず語のふるまいに関しても統語部門で用いられる要素・操作のみで説明することが可能であるとわかった。本研究により分散形態論の仮説がより一層強固なものになったといえる。
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