本研究は、生成統語論がこれまでに築き上げてきた形式的な基盤に基づき、統語構造に関する諸原理が実際の言語使用においてどのように機能するのかについて調査し、より一般的な言語理論の構築を試みるものである。研究期間全体を通じて次の現象の分析に取り組んできた(現象の後に続くカッコ内には、当該現象について公開した論文数を記載)。
①修辞疑問文(7本)、②ナント型感嘆文(3本)、③権威の態度を示すことに特化した疑問文(1本)、④「何なら」の典型用法・新用法(2本)、⑥その他の現象(2本)
当初は、これらの現象の分析に際して質的アプローチのみを採用していた。2018年以降は、実験室実験に精通した研究者との共同研究に着手したため、上記①と②については、質と量の両面からアプローチした研究となった。当初計画にはない量的な観点が加わったことで、より一般的なレベルから検証された形での理論構築を進めることができた。
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