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2017 年度 実施状況報告書

中間構文の共時的・通時的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13477
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

久米 祐介  藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40645173)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード中間構文 / 叙述構造
研究実績の概要

29年度は、中間構文の共時的研究を行った。現代英語における能格構文とは異なる中間構文の特徴として、動作主の抑圧(暗示的動作主の存在)、主語の属性や性質を表すこと、様態副詞もしくは否定辞の義務性があげられる。先行研究ではこれらの特徴について1つないしは2つの特徴を意味論や統語論の観点から説明がなされているが、すべての特徴を統一的に説明する分析はない。本研究ではpossibilityという観点に注目し、これらの特徴を統一的な説明を試みる。Fellbaum(1985)などでは、中間構文の意味的特徴の一つである相称性を捉えるためにpossibilityという概念を用いたが、これを統語論にも適用し、中間構文の基本構造を仮定したうえですべての特徴を理論的かつ実証的に説明する。具体的には、possibilityを表すPOSSIBLEという意味素性をDikken (2006)で提案されたRPの補部に位置付け、能格構造と主述関係を形成する構造を仮定する。このPOSSIBLEは音形を持たない接辞的な形容詞であるとし、音形を持つ主要部まで主要部移動することで認可されると仮定する。否定辞が現れる場合はTまで移動し、doによって認可される。法助動詞が現れる場合も同様にTまで移動し、法助動詞によって認可される。様態副詞が現れる場合にはPOSSIBLEの位置に現れる形容詞がR主要部にある-ly接辞と併合することによって副詞として具現化される。このように仮定することにより、上記の中間構文の特徴をすべて統一的に説明できる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の計画ではコーパスからデータを収集し分析する予定であったが、すべてのデータを分析するにはもう少し時間がかかる。

今後の研究の推進方策

上記の理論的仮説を共時的に検証するとともに通時的に発達過程を明らかにすることで支持したい。

次年度使用額が生じた理由

30年度より所属大学が変わり、研究に必要な物品を新たにそろえる必要があるため、その一部に使用する。

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公開日: 2018-12-17  

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