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2019 年度 実績報告書

中間構文の共時的・通時的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13477
研究機関名城大学

研究代表者

久米 祐介  名城大学, 法学部, 准教授 (40645173)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード中間構文 / 能格構文 / 叙述構造
研究実績の概要

現代英語における中間構文の統語的意味的特徴、すなわち法助動詞あるいは難易副詞との義務的共起、表層主語の特性・属性の叙述的解釈、潜在的動作主の含意は、中英語に能格構文からの再分析によって叙述を表す機能範疇Rの導入と様態副詞の動作主指向性の獲得によって生じたと仮定した。具体的には、中間構文に法助動詞が現れる場合、可能性を表す音形を持たない形容詞POSSIBLEがRP補部に生じ、Tに基底生成される法助動詞によって認可される。難易副詞が現れる場合、音形を持つ形容詞がRP補部に生じ、R主要部にある-ly接辞と併合され副詞として具現される。そして、RP指定部にあるvPからVの補部DPが主節のTP指定部に移動することにより、主語の特性・属性の叙述的解釈が生じる。また、様態副詞の動作主指向的解釈の獲得により、恣意的PROがvPに付加するようになったことで潜在的動作主の含意が生じる。これらの変化の結果、能格構文には現れないcutやreadタイプの動詞が中間構文に現れるようになる。すなわち、cutは状態変化を含意するが、道具を使用する動作主が含意されるため、潜在的動作主を含まない能格構文には表れず、中間構文にのみ現れる。readは状態変化を含意せず能格構文の表す自発的状態変化を表さないため、能格構文には現れず、潜在的動作主を含意し、主語の特性・属性を叙述する中間構文にのみ現れる。この英語史における中間構文の発達は、時期、統語派生、意味の点で、tough構文や疑似受動文と密接に関連があると予測されるため、中間構文の発達のさらなる経験的理論的裏付けを行うと同時に、関連構文の研究につなげていくことが期待される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 中間構文における叙述構造の史的発達2019

    • 著者名/発表者名
      久米祐介
    • 学会等名
      第6回史的英語学研究会
  • [学会発表] Symposia:英語の通時的変化に関する生成統語論的研究 英語史における中間構文の発達について2019

    • 著者名/発表者名
      久米祐介
    • 学会等名
      日本英文学会東北支部第74回大会

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公開日: 2021-01-27  

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