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2018 年度 実施状況報告書

日・英語の補文内における主文現象に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13478
研究機関龍谷大学

研究代表者

吉本 圭佑  龍谷大学, 政策学部, 准教授 (90724477)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード統語論 / カートグラフィー / 主文現象
研究実績の概要

本研究の目的は、日本語と英語の主文現象の類似点と相違点を比較検証しながら、なぜ一部の補文内でしか主文現象が容認されないのかという統語的な理由を明らかにすることである。

研究代表者は代表的な主文現象である日本語の丁寧形「ます」について、空の演算子の移動が起こる関係節と起こらない関係節内での生起の可否を調査し、「ます」の生起が演算子の移動と相容れないことを明らかにした。研究代表者は、これまで従属節内における「ます」の出現可能条件について、(1) 主文にも「ます」が存在すること、(2) 従属節がフェイズ (Chomsky 2000)を形成しないことを挙げてきた。これに加えて、従属節内で「ます」の生起と干渉する演算子の移動がないこと、が加えられたことになる。

英語の補文内における主文現象については、Hooper and Thompson (1973) が提唱したType Cに当たる述語 (be likely, be impossible)などが選択する補文の統語環境について考察した。これらの補文では、話題化などの主文現象が容認されないことは知られていたが、叙実節とは異なり、空の演算子の移動が関与しているのかどうか明らかではなかった。研究代表者は、弱い島などの統語テストからType C補文においても空の演算子の移動が認められることを示し、Type C補文における主文現象が空の演算子の移動によって阻止されることを示した。この研究結果はOsaka Literary Reviewに論文として掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

校務のため予定していた学会への参加、発表が叶わず、当該分野における最新の動向を知る機会を得ることができなかった。

今後の研究の推進方策

平成29年度、30年度は日本語の補文における主文現象に着目してきたが、今後は副詞節にも考察対象を広げ、英語との比較の中で研究を推進していきたい。特に、日本語の人称制限や英語のVP削除と節の構造がどう関わっているかを考察する予定である。

次年度使用額が生じた理由

校務のため予定していた学会に出席することが叶わず、旅費を執行することができなかったため。来年度は、予定通り学会に出席する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] On the Left Periphery of the Complements of Type C Predicates2019

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Yoshimoto
    • 雑誌名

      Osaka Literary Review

      巻: 57 ページ: 67-83

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] On Conditions for the Duplication of the Japanese Politeness Marker -Mas-2018

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Yoshimoto
    • 雑誌名

      MIT Working Papers in Linguistics

      巻: 88 ページ: 465-470

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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