今年度は、2年目に行った日本語教師を対象にした「留学生に対するキャリアサポートと日本語教師に必要な能力」の学会発表を再度整理し、論文化した。
日本語教師20名が行った留学生に対するキャリアサポートと日本語教師に必要な資質・能力に関する半構造化インタビュー結果をKJ 法におけるグループ分けの手法で分析した。その結果、教師歴10年未満の教師が行ったキャリアサポート28件、教師歴10年以上の教師が行ったキャリアサポート52件が抽出された。共通して留学生に対して「道具的支援」と「専門家へのリファー」を行っていた。「進路選択行動の促進」に関しては、教師歴10年未満の教師が共同的で、教師歴10年以上の教師が支援的であることが明らかになった。 また、教師歴10年未満の日本語教師が必要だと考える日本語教師の資質・能力33件、教師歴10年以上の日本語教師が必要だと考える日本語教師の資質・能力50件が抽出された。共通して「コミュニケーション力」「社会人基礎力」が必要であると考えられていた。 本結果は、今後の日本語教師養成・研修においてコミュニケーショ力や社会人としての知識も育成していく必要も生じることが示唆した。
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