本研究は、芸術系大学で学び、日本で就職した元留学生のライフストーリー調査である。近年、急増の傾向にあった芸術系大学で学ぶ留学生のキャリアを考えるための基礎研究となることを目的とした研究である。調査からは、以下のことが明らかになった。①芸術系大学出身の元留学生は、デザイン関係の仕事についているケースが多いが、採用においても、採用後の業務においても高い日本語能力が求められる。②デザイナーとして仕事をすることで、はじめて自分がデザイナーとしてどうありたいかが明確になり、そのビジョンに従って、転職するという傾向がある。従って、芸術系留学生に対するキャリア支援も総合的、かつ長期的なものが求められる。
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