本研究では、英語学習者を対象にスピーキングテストの結果を言語の複雑さ、正確さ、流暢さ(CAF)の指標で示すことによって、学習に良い波及効果を与えられるかどうかを検証することを目的に調査が行われた。流暢さについては、西(2010)による報告と同様に継続的な伸長が見られた一方、正確さと複雑さへの影響はほぼなかった。CAF指標の値をフィードバックとして与える方法は、評価者に負担が大きいにもかかわらず、学習者にとって十分な学習効果がないことが明らかになった。しかし、流暢さに関しては向上が見られたことから、スピーキングの評価・指導の際に流暢さの指標を提示することは有効であると考えられる。
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