研究課題/領域番号 |
17K13497
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
笹尾 洋介 京都大学, 国際高等教育院, 准教授 (80646860)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 英語教育 / 語彙学習 / 接辞 / 文脈からの推測 / コンピュータ適応型テスト |
研究実績の概要 |
平成30 年度は,効果的な英語語彙学習を促進する語彙学習力(vocabulary learning ability: VLA)を測定するオンライン診断テストの開発を目指して,VLAの主要な構成要素である英語接辞テスト(Word Part Levels Test: WPLT)と文脈からの推測テスト(Guessing from Context Test: GCT)のオンライン化を試みた。まず,テストのオンライン化にあたり,利用料金,カスタマイズ性,データ管理の安全性,トラブル発生時のサポート体制などを総合的に判断して,オンラインテストを構築するプラットフォームを検討した。また,事前調査として合計1,000名以上を対象にWPLTとGCTを実施し,項目応答理論を用いて各項目のパラメータ値の推定を行った。さらに,事前調査で得られたデータにラッシュ分析を行い,各項目のラッシュモデルへの適合度を吟味することによりテストの質を検討した。そこで修正が必要であると判断された項目については,各選択肢を選んだ回答者の傾向を分析するなどして問題のある箇所の修正を行った。こうして作成されたWPLTとGCTおよびそのパラメータ値をコンピュータ適応型テスト(computer adaptive testing: CAT)のプラットフォームに適合するように整理しコード化する作業を行い,オンラインテストの構築を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
事前調査の準備,実施およびデータ分析を行ったが想定以上の時間を要したため,オンラインテスト完成にもう少し時間がかかる見通しである。
|
今後の研究の推進方策 |
平成31年度は,オンラインテストを実際に構築し,その効果検証を行う。各テストについて,CAT 版とPBT 版を同一受験者に実施し,比較検証を行う。比較検証については,解答に要した時間,信頼性係数,推定能力値(ability measure),推定能力値の標準誤差(standard error)の分析,および受験者へのアンケート調査をもとに多角的に分析する。本研究成果については,英語教育関連分野の国内外の学会や学術誌を通して発表する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度実施予定であったCATの構築が遅れており,次年度に行う予定であるため。
|