研究実績の概要 |
平成31年度は,効果的な英語語彙学習を支援するために,語彙学習力(vocabulary learning ability: VLA)を測定するオンライン診断テストの開発および検証を行った。具体的には,改訂版英語語彙レベルテスト(Updated Vocabulary Levels Test: UVLT)とVLAの主要な構成要素である英語接辞レベルテスト(Word Part Levels Test: WPLT)のオンライン化を行った。WPLTについては,これまで様々な言語を母語とする合計1,000名以上から集めたデータをもとに推定された項目難度などのパラメータ値を算出してコンピュータ適応型テストを作成し,Sasao and Webb (2017)が開発し妥当性の検証を行った紙媒体で実施可能なWPLTとの比較を行った。比較検証については,解答に要した時間,信頼性係数,推定能力値(ability measure),推定能力値の標準誤差(standard error)の分析,および受験者へのアンケート調査をもとに多角的に分析した。その結果,コンピュータ適応型テストでは,Sasao and Webb (2017)が提案するよりも少ない項目数で同程度の信頼度をもつ結果を得られること,短時間で効率的にテストを実施できること,また学習者への即時診断フィードバックも効果的に提供できることが明らかとなった。
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