研究課題/領域番号 |
17K13500
|
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
吉川 りさ 豊橋技術科学大学, 総合教育院, 講師 (90782615)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | プロソディ / 語強勢 / 第二言語読解 / 読解力構成技能 / 眼球運動 / 横断的アプローチ / 縦断的アプローチ / 情意的要因 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本人英語学習者の英文黙読時における音韻情報の利用有無および利用可否について、プロソディ(語強勢・リズム)処理に焦点を当てて横断的および縦断的アプローチで検証するものである。本年度は、収集データの分析を進めることと、結果の公表を行うことが目的であった。本研究で収集したデータは、横断的データと縦断的データの2種類に大別される。横断的データは、視覚提示された英単語処理時のプロソディ情報処理の可否を調べることを目的とし、眼球運動計測実験を通して収集した。本データの一部の分析結果は2019年3月にThe 2019 conference of the American Association for Applied Linguisticsにて発表報告している。 そのため、本年度は、縦断的データの分析とその成果公表を目指した。縦断的データとして収集したデータは、聴覚提示された単語の語強勢に関する判断課題への反応データと、語強勢に焦点を当てた発音トレーニング前後にそれぞれ録音した音声データの二種類である。縦断的データの収集目的は、学習者の個人差要因が、横断的データとして収集した眼球運動計測データに及ぼす影響を調べることである。 縦断的データの分析に加えて、本年度は、情意的側面(気分)が読解力構成素である語彙知識の発達に与える影響を検証したデータの分析結果をThe 58th JACET International Conventionにて発表報告、読解時に関与する学習者要因の影響について論じた論文の投稿(Frontiers in Psychologyに掲載)、英文読解力と英文読解時に働くメタ認知の関係性について論じた論文の投稿(The Reading Matrixに掲載)を行い、研究成果の公表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、本年度にデータの最終分析および公表を行う予定であったが、収集データの分析に予想以上の時間を要したため、分析結果の公表まで至ることができなかった。本研究は横断的および縦断的データを収集しており収集データが多い。そのため、データ整理および分析を継続して行う必要がある。
|
今後の研究の推進方策 |
収集データのうち、とりわけ縦断的データの分析を継続して進めていく予定である。そして、日本人英語学習者の英文黙読時における音韻情報の利用有無および利用可否、そしてそれに関与する個人差要因に関して本研究から得られる知見を集積し、研究成果の公表を進める予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本実験で収集したデータ分析に予想以上に時間を要している。その結果、本研究の成果公表の準備が遅れている。したがって、次年度分として請求した助成金は、次年度に行うデータ公表に伴う英文校正費や論文投稿費として使用する計画である。
|