2019年度の研究実績を述べるにあたり,初年度から踏んだ手順を時系列旬に説明する。 初年度(2017年)は,学生にヒアリングを行いながら,パソコン上で動く,認知言語学の理論を応用した「図式モデル」教材の開発と修正を行った。教材の完成に従って,研究代表者が当時勤務していた所属先の英語リメディアル学習者 (理系学部所属,CEFR A1)を被験者にして実験を行った。内容としては,前期には「前置詞」,後期には「冠詞」「名詞」「過去時制3種」の教材の効果検証を行った。次年度(2018年)の前期は産前産後休業を半年間取得したため,研究を一時休止したが,後期に他大学のリメディアル学習者ではない学生 (CEFR A2-B1) を被験者として本教材を提供して実験を行い,本教材がどのレベルの学習者まで対応が可能なのかを検証した。 2019年度は延長期間のため,上記実験結果の分析作業と報告を主に行った。口頭発表としては2019年10月にThe Third International Conference on Situating Strategy Use(査読付き国際学会),および2020年6月から9月にかけてAPS Virtual Poster Showcase(査読付き国際学会)で成果報告をした(注:後者の国際学会はコロナウイルスによる感染症対策のため,シカゴで開催されるところがweb上での開催となった)。また,研究論文の形としては2020年3月発行の日英言語文化研究第7号(査読付き)に上記実験結果の成果報告をした。
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