研究課題/領域番号 |
17K13511
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小林 雄一郎 日本大学, 生産工学部, 助教 (00725666)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 自動採点 / 学習者コーパス |
研究実績の概要 |
2017年度は、申請書に記した研究計画に則り、ライティングおよび自動採点および自動フィードバックに関する先行研究の調査と整理にあたった。その作業の結果、本研究課題と関連し、学術的にも有用であるものを選定し、2018年度中にliterature review論文を投稿・発表する予定である。 また、ライティングの自動評価に向けて、語彙や文法に関する項目だけでなく、談話に関する項目に関する研究を行った。具体的には、母語と習熟度の異なる学習者のデータを定量的に分析することで、ライティングにおける談話能力の発達と、発達過程における母語の影響を調査した。この調査に関しては、Corpus Linguistics 2017で研究発表をしたのち、Journal of Pan-Pacific Association of Applied Linguisticsに論文として発表した(Developmental patterns of metadiscourse in second language writing)。 そして、自動評価に関する技術的な研究として、Conference of the International Federation of Classification Societies 2017において、機械学習を用いたテキスト分類に関する発表を行った(Automated speech scoring: A text classification approach)。統計学・情報科学のオーディエンスが多く来場し、言語学・言語教育の学会とは異なる議論や情報交換ができ、有益な示唆を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画であった先行研究の調査、データ収集、データ分析方法の策定に関して、おおむね順調に進展しているため。 先行研究の調査に関しては、自動採点・自動フィードバック関連の最新の研究資料を網羅的に収集し、整理している。文献調査の結果については、今後研究ノートなどの文章にまとめる予定である。 データ収集方法については学習者コーパス言語学の知見に基づく。また、データ分析方法については、これまでの申請者の研究で有効性が認められてきた機械学習の方法などを用いる。これらについては、次年度パイロット・スタディを国際会議に投稿予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
2018年度は、2017年度までの先行研究の調査、データ収集、データ分析方法の策定などの作業を継続して行う。また、データ収集が完了するまでは、他のプロジェクトで収集した類似データセットなどを活用し、予備的な分析や実験を行う。データ収集や予備的な分析に関しては、すでに2つの国際会議 (Free Linguistics Conference 2018 (10th-11th July 2018, Kuala Lumpur), Teaching and Language Corpora 2018 (18th-21st July 2018, University of Cambridge))での報告が決定し、3つめの国際会議(9月開催)に向けた投稿準備を進めている段階である。上記のような活動を通じて、2019年度以降の本格的な研究に備える予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
校務の都合で、当初予定していた国際会議(Learner Corpus Research 2017)に参加できなくなっため。繰り越した分は、次年度以降、本研究課題の成果発表に使用する予定。
|