研究実績の概要 |
今年度は、当初の研究計画に基づき、日本人英語学習者の産出言語(ライティング、スピーキング)に対する自動採点・自動フィードバックに関する分析・研究を行った。まず、スピーキングの自動採点・自動フィードバックに有効な言語項目の特定に関しては、「A longitudinal study of novice learners’ development of complexity」(Teaching and Learning Corpora 2020)、「スピーキングコーパスを用いた英語学習者の発達指標の特定」 (英語コーパス学会語彙SIG 2020年度研究会)、「大学生を対象とする英語スピーキングテストの回答音声に基づくコーパス構築」 (英語コーパス学会第46回大会)などの成果発表を行った。また、ライティングの自動採点・自動フィードバックについては、これまでの研究成果に基づき、「学習者コーパス研究と自動採点」という文章を発表した(石井雄隆・近藤悠介 (編) (2020). 『英語教育における自動採点―現状と課題』 東京: ひつじ書房, pp. 73-93)。 さらに、より広範な学習者言語の分析として、Rhetorical preferences in L2 writings: A contrastive analysis of metadiscourse markers(Journal of Modern Languages, 30(2), 1-24)などの文章を発表した。その一方で、コロナ禍の影響で、学習者を実際の教室に集めて、自動フィードバックの検証実験を行うことはできなかった。これについては、今後、別の研究課題とすり合わせの上、行っていきたい。
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