本研究で得られた主な結果は、①高専2年生を対象に半期で5万語程度の多読を行うことで、意味理解を伴う英文読解速度は有意に上昇する、②習熟度が高い学習者は早い段階(5万語よりも少ない語数)で読解速度が上昇する、③高専3年生を対象に年間で5万語程度の授業内多読を行うことで、語彙サイズは広がるものの効果は限定的である、④語彙サイズを大きく広げた学習者は読解時に未知語に対して強い注意を向けていた傾向がある、ということである。 以上の結果から、多読を通して高専生の英文読解速度を高めるためには半期で5万語以上読ませること、語彙サイズを高めるためには明示的な指導も組み込む必要があることを指導指針として提言した。
|