研究課題/領域番号 |
17K13526
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀川 康史 東京大学, 史料編纂所, 助教 (80760280)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 足利義満 / 室町幕府 / 鎌倉府 |
研究実績の概要 |
今年度は研究成果の総括も視野に入れつつ、足利義満期武家政治史の再検討を進める予定であったが、COVID-19の影響により外部機関での史料調査に依然制限がかかったことに加え、後述する理由から、既刊史料・史料編纂所架蔵史料を主とする史料収集とその基礎的な整理・分析を行うにとどまった。この間取り組んでいる足利義満期における室町幕府と鎌倉府の政治的関係の考察については、2022年度に研究成果を公表したいと考えている。 本研究課題に関連する成果としては、「延文五年桂宮院伝法灌頂私記・同紙背文書」(『東京大学史料編纂所研究紀要』32号、2022年、三輪眞嗣氏との共著)を執筆し、足利義詮期の延文5年(1360)の政変に関わる紙背文書を紹介した。2021年10月には、オーストリア・ウィーン大学が開催した、中世の誓約に関する比較史ワークショップにおいて、「Oaths and Divine Punishments in the Warring States Japan: From Princeton University Collection」と題する研究報告を行い、プリンストン大学所蔵の新出史料を用いて中世日本の事例を紹介した。この他、堀川が研究分担者として参画している基盤研究(A)「断片的史料情報の集積と歴史知識情報の相互参照体制の確立による新たな史料学構築研究」(西田友広氏代表)や史料編纂所の「人文学・社会科学データインフラストラクチャー構築推進事業」とも連携し、南北朝期基幹史料集の電子化・DB開発を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は本務である『大日本史料』編纂・出版の年であったが、所内の事情から原稿作成・校正業務を実質的に一人で担当せざるをえない状況となった。本研究課題に集中して取り組む時間が当初の予定より大幅に削られることとなり、結果として遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は研究計画の着実な実行と研究成果の公表に取り組む。外部機関での史料調査については、COVID-19の感染状況に左右されることとなるが、早期の実施に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
「現在までの達成度」欄に記入した通り、研究計画の実施に遅延が生じているため。
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