本研究は、公会堂、講堂、百貨店催事場の持っていた多目的性そのものに着目し、それぞれの設置背景、催事の全容、来場者や世論の反応を抽出し、相互作用と変容を比較することで、両大戦間期、都市において多目的催事空間が果たした機能と役割を立体的に解明することを目的とした。 対象地域として多目的催事空間の比較が可能な仙台を取り上げ、類似施設の東京での状況、催事の巡回性など全国的視点とも関連させて研究を進めた中、催しを通じたひとびとの視覚的経験と近代都市の変容を抽出し、両大戦間期における都市の「多目的催事空間」の実態と歴史的意義について実証的に解明した。
|