研究課題
若手研究(B)
本研究は、明治前期の神道的宗教改革に携わった国学者西川須賀雄に関係する史料を全国的に調査し、須賀雄の履歴を明らかにすることを通して、「国家神道」形成過程についての既存の理解に新たな知見を加え、学界に刺激を与えることを目指した。その結果、近代宗教史に関するシリーズ出版物で近代神道の形成について論じる機会を与えられ、彼の役割を紹介できた。おおむね目的を果たすことができたと考える。
日本思想史
国家神道形成過程の研究は昔日に比べて低調で、しかももともと、神道国教化に批判的な研究や、それが失敗に終わった点を強調する研究が多かったためか、当事者に視点を据えて長いスパンで事実と影響を明らかにしようとする研究は手薄だった感がある。本研究を通して、神道国教化はもちろん、佐賀藩の教育政策やキリスト教弾圧、出羽三山修験道や富士信仰、万国宗教会議など、それぞれの形で社会的に関心を持たれている様々なテーマについて、新たな知見を提示できたものと考える。