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2022 年度 実施状況報告書

15~17世紀における日本の海外貿易と国内経済との連関の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13534
研究機関国際基督教大学

研究代表者

OLAH Csaba  国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (70646380)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2024-03-31
キーワード遣明船貿易
研究実績の概要

2022年度は、日本中世社会における唐物消費・唐物流通、遣明船貿易の人的基盤や資金・経営の問題についてこれまでに集めてきた史料の分析を続けた。輸入品の流通と配分の地域性、海外貿易に従事したアクターの参加形態(資本提供・取引依頼・貿易活動など)および商品の調達・分配における役割、彼らの海外貿易活動とその背後にある国内経済との接点について新たな論点を追求した。さらに、遣明船貿易における商取引の折衝や取引上のトラブルについて入明記コーパスを中心に再検討し、論点整理を行った。
その他、ヨーロッパ人の東アジア来航や密貿易商人集団の台頭が広東・浙江沿海の交易環境および従来の朝貢体制に与えた影響について主に明側の史料を分析した。江南都市の商業・流通や牙行の仲介業、浙江・広東沿岸での密貿易に関する先行研究を調べ、明代における国内経済環境についてもできるだけ理解を深めた。
研究成果をまとめる作業に取り組み、これまでに執筆した著書の原稿に適宜補足・修正を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度はこれまでの研究成果をまとめ、主に著書の原稿作成に取り組んだ。史料や先行研究の再分析・再整理を行った結果、遣明船経営および遣明船貿易について新たな論点を見出し、これまでにまとめた著書に補足・修正を行う必要があった。補足・修正の作業および職務の多忙のため、執筆作業が当初の予定より時間を要することになった。

今後の研究の推進方策

2023年度は、入明記コーパスの研究を継続し、唐物流通と中世社会、遣明船経営の諸問題、遣明船の資金調達について収集してきたデータと先行研究を整理し、これまでの学会発表の内容をまとめ、論文の執筆作業に取る組む予定である。2022年度は、すべての研究成果を著書に反映することができなかったため、今年度は未整理の論点に着手し、著書の完成を目指す。さらに、これまでの研究成果について2023年度に二つの研究報告を行う予定である。6月には、デュースブルク-エッセン大学(Universitaet Duisburg-Essen)で開催される「History and Theory of Compromises」国際学会で日明貿易における商行為と折衝を取り上げ、「Negotiations and compromises in 15-16. century Sino-Japanese tributary relations」というタイトルで報告を行う(ドイツ、招待報告)。8月には、EAJS(ヨーロッパ日本研究協会)の2023年度国際学会(歴史学パネル)で、唐物消費・輸入と室町時代の国内経済というテーマについて、「Chinese commodities and domestic economy in Muromachi Japan」というタイトルの報告を行う(ベルギー、オンライン開催)。

次年度使用額が生じた理由

補助事業期間の再延長申請が承認され、研究期間が一年延びたため、次年度使用額が生じた。これまでに集まってきた文献をもとに著書の執筆に取り組み、海外への渡航ができなかったため、2022年度は残額を使用しなかった。2023年度は、主に本課題に関する図書の購入に充てる予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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