研究課題/領域番号 |
17K13548
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
村上 正和 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (90736787)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 清朝 / 嘉慶 / 善会・善堂 |
研究実績の概要 |
本年度も京師を対象にした清朝政府の救貧政策や民間で展開された各種の救貧活動について、検討を進めていった。海外や国内の他の機関での新たな史料調査は実施せずに、これまでに収集した史料のうち、特に乾隆年間・嘉慶年間・道光年間の上諭・実録・奏摺・題本の整理・分析をおこなった。その結果、嘉慶年間・道光年間の京師における被災者の救済活動や善堂の運営について、具体的な裁判事例に基づく考察を深めることができた。また嘉慶年間・道光年間の旗人の生活苦救済策についても、上諭・実録を中心に関連史料を改めて検討し、兵士の定数増加にかかわる清朝政府内の議論の展開を把握していった。嘉慶年間の救貧政策の背景にあった政治史的な文脈についても、再検討を加えた。嘉慶年間の救貧政策は、嘉慶帝の親政とともに始まった政治改革の一環であり、他の諸政策と類似する点もある。今後はその他の諸政策と救貧政策とを比較しながら、嘉慶年間の統治の方向性について考察していくことが課題となる。上記の研究活動と並行して、これまでの成果をまとめ、具体的な研究実績として発表するための準備も進めていった。今後、中国第一歴史档案館で関連する公文書史料をさらに収集し、検討する必要のある課題はまだ残されてはいるが、初年度からの課題であった清朝政府の救貧政策の展開や、京師に設立された善会・善堂の活動といった論点については、一定の見通しを得ることができたといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外での研究調査活動を実施できなかったものの、研究を一定程度進展させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに収集した史料を活用して、研究を着実に実施していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での研究調査活動が実施できなかったため、若干の次年度使用額が生じた。
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