研究課題/領域番号 |
17K13553
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
西田 愛 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (90723693)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 古代チベット / 古チベット語文献 / Old Tibetan / 敦煌 / 占い / 置換 / 神国道説示 / 仏教伝道 |
研究実績の概要 |
研究2年度目にあたる平成30年度前半には、古チベット語サイコロ占い文書について、Pelliot tibetain 1046B文書とIOL Tib J 740文書に着目し、書式と内容の分析を行った。その成果は、"Two Tibetan Dice Divination Texts from Dunhuang: Pelliot tibetain 1046B and IOL Tib J 740"としてCentral Asiatic Journal vol.61上に発表した。 また、後半には、昨年度に作成した古チベット語文書のデータベースを活用して、仏教伝道者たちが仏教布教のために用いたと考えられる文献の解読と翻訳を進めた。具体的には、昨年度より取り組んでいた『置換』、『神国道説示』について研究成果をまとめ、神戸外大論叢・2019年第70巻1号上に研究論文「古代チベット人の死後の世界と葬送儀礼の仏教化 -敦煌出土『生死法物語』『置換』『神国道説示』三部作の研究-」として発表をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、昨年度より開始したチベット古代宗教に関わる文献の解読と分析を予定通りに完遂でき、その成果を論文として発表することができた。また、関連する文献についてもすでに資料収集とデータベース化を進めており、最終年度までに一定程度の成果が得られる見通しがたっているため、研究は概ね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度も、本研究の中心となる古チベット語文献の解読と分析を進めていく。特に、大蔵経中に収録される『十二縁生祥瑞経』に類似した敦煌出土文献を中心に研究を進め、その成果を7月に開催される国際チベット学会にて発表する。 また、ブータン東部地域において占いの実地調査と文献収集を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
スケジュールの都合により、30年度に予定していた海外調査を遂行できず、31年度に調査旅費相当額を持ち越した。具体的には、現代チベット文化圏における占いの実地調査として、30年度3月に東ブータンでの調査を実施予定であったが、31年度の10月~11月に延期する。
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