15 世紀、ヨーロッパにおいて東西教会合同運動が盛り上がっていた頃、中東においても、反カルケドン派の東方キリスト教諸教会は互いの連携を強化し、カトリック教会による呼びかけにも積極的に対応していた。ペスト流行後の世界を東方キリスト教諸教会は互助しあうことで生き残っていったと推測されるが、本研究はその萌芽を十字軍期(11-13 世紀)エルサレム王国周辺における、キリスト教諸教会の接触に見出し、十字軍期西アジアにおける様々な勢力の絡み合いに注目し、東方キリスト教諸教会間の連携、ラテン(カトリック)教会への対応などを考察した。
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