| 研究課題/領域番号 |
17K13560
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| 研究機関 | 京都教育大学 |
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研究代表者 |
斉藤 恵太 京都教育大学, 教育学部, 講師 (20759196)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 西洋史 / 近世 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題は、17世紀の神聖ローマ皇帝軍を例に、近世ヨーロッパにおける貴族と君主の関係を捉え直し、軍隊という視角から新しい近世史像を築くことを目的としている。具体的には皇帝軍の維持・運営においてイタリア系の貴族とその社会的ネットワークが果たした役割および、貴族の貢献に対する皇帝からの物的・社会的な対価のありようを分析し、両者の双方向的な関係性を明らかにしている。検討対象としては、トレント出身の傭兵隊長マッテオ・ガラッソおよびトスカーナ出身の傭兵隊長オッターヴィオ・ピッコロミニに着目している。
今年度は、当初の予定通り、本研究課題の全体的な枠組みの構築のために刊行史料や先行研究の調査を進め、そのためにベルリン国立図書館での文献調査も行った。また、論点の一つである貴族士官層の社会的な出自についての分析を進めた。この点に関して着目しているガラッソに関して、傭兵隊長としてのキャリアを開始した当初の重要史料がバイエルンの州立中央文書館に所蔵されていることが判明したため、手稿史料の調査も行った。その結果、彼が皇帝軍に移る前にバイエルン軍で築いた人脈の概要が明らかになってきた。ガラッソにとって、傭兵隊長としての経歴の初期にあたるこの時期に築いた人脈は、後の活動においても重要な意味を持ったと考えられるため、引き続き検討を進める予定である。
以上、刊行文献および文書館史料の調査を通じて今年度に得た成果は、イタリア中近世史研究会、ドイツ現代史研究会、アルプス史研究会にて口頭で発表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述のように、本年度の研究調査は、対象という点でもスケジュールの点でもおおむね計画通りに遂行することができた。またバイエルンの州立中央文書館で手稿史料の調査も進められたことは、本研究を次年度以降さらに進めるうえでも大きな意味を持つといえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
今年度に得られた成果にもとづいて、次年度も引き続き当初の計画に沿って研究を遂行する。その際、引き続き傭兵隊長ガラッソを中心的な検討対象とする。とくに、彼が皇帝軍に移る前にバイエルン軍で築いた人脈をさらに分析し、それが後の皇帝軍での活動と経歴にとって持った意味について検討を進める。また比較の対象として、オッターヴィオ・ピッコロミニに関する文献と史料の調査にも取りかかる。そしてそれらの成果を年度末にかけてまとめ、研究会発表や論文として公表する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
ベルリン国立図書館における文献調査を、渡航費先方持ちの招待講演と併せて実施することができたため、今年度分の助成金の一部を節約することができた。この分は翌年度分として請求し、文献ないし史料を得るために用いる予定である。
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