研究課題/領域番号 |
17K13562
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
正木 慶介 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (00757172)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 近代イギリス / ホイッグ / 政党政治 / 市民社会 / 公共圏 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、科研費研究計画にもとづき、投稿論文2本(査読付き)の公刊と、研究会大会にて研究発表を行うことができた。 ・論文「フォックス晩餐会:ホイッグ党の政治観」『史苑』(立教大学史学会)第78巻第1号 ・論文「エディンバラ新市街におけるメルヴィル・モニュメントとピット・モニュメント」森原隆(編)『ヨーロッパの政治文化史:統合・分裂・戦争』(成文堂、2018年3月25日)所収、第6章 ・口頭報告「フォックス生誕記念晩餐会:ホイッグ主義と議会改革」、早稲田大学西洋史研究会70回大会、於早稲田大学、2017年7月8日
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成29年度の一番の収穫は、地方ホイッグ党の政治的会合の役割も担った「フォックス晩餐会」を全国的な規模で分析し、論文にまとめることができたことである。これにより、当初計画していたエディンバラ・フォックス・クラブの考察よりも広い視点から地方ホイッグ党のアソシエーショナルな運動を検討することができた。一方で、この研究を、科研費の研究計画とは直接関わらない他の複数のプロジェクトと同時に行ったため、平成29年度のもう一つの研究課題であった「地方ホイッグ党の議会選挙政治」に十分な研究時間を割くことができなかった。平成30年度は、このテーマについても分析を進めていくことで、遅れを取り戻したい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題のテーマと密接に関連する単著の出版契約(Edwin Mellen Press)を取ることができたので、平成30年度はこれを軸に研究を進めていく。テーマは「フォックス崇拝」であり、C・J・フォックスという死去した党指導者の政治的影響力が後継政党にどのように現れたのかを分析する。内容としては、平成29年度の「地方ホイッグの政治結社」、平成30年度の「地方ホイッグの政治理念」、平成31年度の「地方ホイッグによる公的集会」といった研究課題をそれぞれカバーするものである。原稿の提出締め切りは年度末であるので、それまでに質の高い考察結果が得られるよう努力する。研究過程で、国内外の学会で口頭報告もする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外(イギリス)での研究のスケジュールを立てることができなかったため。平成30年度は学会報告も含めて渡英する予定である。
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