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2018 年度 実施状況報告書

古代エジプト、青色彩文土器の生産と流通に関する考古学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13567
研究機関東日本国際大学

研究代表者

高橋 寿光  東日本国際大学, エジプト考古学研究所, 客員講師 (30506332)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード青色彩文土器 / 古代エジプト / 新王国時代 / 土器製作技術 / 土器生産 / 土器流通 / 土器化学分析
研究実績の概要

平成30年度における研究では、エジプト南部における青色彩文土器の生産と流通の復元を目的とし、エジプト南部の遺跡(ルクソール西岸岩窟墓、アメンヘテプ3世神殿)から出土した青色彩文土器を主な対象とした。1.青色彩文土器の考古学的調査、2.青色彩文土器の化学分析、3.青色彩文土器の集成を行った。
青色彩文土器の考古学的調査」では、それぞれの遺跡において、2018年12月17日から2019年1月16日、2019年3月9日から14日の期間にエジプト現地調査を実施し、青色彩文土器の実測、観察、写真撮影、3Dモデル作成などを含む土器の資料化を行った。「2.青色彩文土器の化学分析」では、研究協力者の阿部善也(東京理科大学・講師)とともに、前年度の分析結果、これまでの過去の分析結果の解析を行った。「3.青色彩文土器の集成」では、主にエジプト南部を対象とし、これまでに出版された青色彩文土器についての集成を行い、データベース化した。
平成30年度の研究により、時期とともに生産・流通量が次第に増加し、それにより王や高官のみならず、社会の多くの人々に青色彩文土器が行き渡ることなどが明らかとなった。これまで青色彩文土器の生産、流通の変遷に関する研究はほとんどなく、新たな視点を提示することができた。
その他、平成29年度に研究を実施したエジプト北部の遺跡(サッカラ北遺跡、アブ・シール南丘陵遺跡、ダハシュール北遺跡)でも、2019年1月19日から3月6日の期間に、補足の土器調査を実施した。
研究成果については、日本オリエント学会などにおいて発表を行った。また平成30年度成果については、平成31年度にも日本オリエント学会、日本西アジア考古学会にて発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成30年度では、「1.青色彩文土器の考古学的調査」について、当初の計画どおりにエジプト南部の遺跡(ルクソール西岸岩窟墓、アメンヘテプ3世神殿)において現地調査を実施することができ、土器資料を得ることができた。
「2.青色彩文土器の化学分析」については、研究協力者の現地調査参加期間の都合により、分析関連の現地調査は実施せず、代わりに平成29年度および過去に取得した分析データの解析に終始した。これにより、これまでの研究成果をまとめることができ、また次年度の研究の方向性が明らかとなったため、進捗に問題はないと考える。
「3.青色彩文土器の集成」についても、当初の計画に沿って集成を実施している。
研究成果については、国内学会において口頭発表を実施した。また、海外の学会でも現在、論文を投稿中である。

今後の研究の推進方策

平成29年度、30年度の調査研究により、エジプト南部と北部のデータを得ることができた。平成31年度では、当初の研究計画どおりに、北部と南部を統合した研究のまとめを行う計画である。また、引き続き補足の現地調査を実施する。
また、国内学会で発表、論文投稿を行うとともに、今年度は研究成果の海外の学会における発表、論文投稿を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 古代エジプト、新王国時代の青色彩文土器にみられる製作技術の簡略化について2018

    • 著者名/発表者名
      高橋寿光
    • 雑誌名

      オリエント

      巻: 61-2 ページ: 135-150

    • 査読あり
  • [学会発表] 古代エジプト、青色彩文土器の生産地の変遷について2018

    • 著者名/発表者名
      高橋寿光
    • 学会等名
      日本オリエント学会
  • [学会発表] エジプト、ルクソール、マルカタ王宮出土の青色彩文土器のX線分析2018

    • 著者名/発表者名
      高橋寿光、阿部善也
    • 学会等名
      日本オリエント学会

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公開日: 2019-12-27  

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