「クフ王第2の船」はエジプトに現存する最も大型の古代木造船の一つに位置づけられ、部材調査を通じて造船技術の詳細が明らかになると期待される。中でも、部材に直接文字を記し組み立てを補助する仕組みは、古代エジプト船舶史上、本船と隣接する第1の船からしか類例が確認されておらず、本研究を通じて一次資料の正確な記録と適切な分析・解釈が求められた。分析では2種類の施文方法が工程の違いを意味する点に着目し、どのような記号や番号の振り方で部材の配列を管理していたか、船大工の創意工夫とコミュニケーションの実態が明らかにした。よって本研究成果により、大局的な造船方法の理解が個別具体的な細部に迫るものに深化された。
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