• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

家族・親族関係からみた沖縄系移民の成立に関する歴史地理学研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13581
研究機関関西学院大学

研究代表者

花木 宏直  関西学院大学, 文学部, 准教授 (80712041)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード村人会 / 模合 / 寄留商人 / 海運 / 炭鉱 / 林業
研究実績の概要

令和4年度は国内で補足的な調査研究を進めた。まず、国会図書館憲政資料室において、ペルー・リマ市における1920~30年代の兼城村人同志会・兼城村人会(糸満市)の議事録や会則等を収集した。これらの資料より、さまざまな金銭的援助をはじめ第二次世界大戦前の沖縄県出身者の同郷団体の活動実態や、資料に含まれていた覚書より世帯構成や就業状況の実態が判明した。次に、平成29年度に実施した沖縄県において移民送出の萌芽期に移民斡旋に関わった者の調査を発展させ、鹿児島県出身者に注目し、西表島など離島での事業を経て移民斡旋へと展開した経緯の詳細を検討した。後者の成果については、令和5年11月刊行予定の『離島研究Ⅶ』に収録予定である。
また、令和4年度が最終年度となったため、研究期間を通じた主な成果として、①移民送出のキーパーソンに関する沖縄県内外での調査では、早期より多数が移民斡旋に従事した鹿児島県出身者や熊本県鏡町出身者に注目し、多角的経営の一環として沖縄県へ進出し移民斡旋に従事したことが明らかになった。②移民と家族・親族に関わる沖縄県内での調査では、当初予定していた八重瀬町ではないが、旧羽地村仲尾次地区(名護市)を事例として、地割制廃止後に出移民と並行して私有財産と門中組織の形成が進む中で越境的な社会関係が構築された過程が明らかになった。③移住先・海外の親族成員と送出地域・送出世帯との関わりについては、ブラジル・サンパウロにおける八重瀬町出身の戦後移民を事例に、移住の経緯や同郷団体への参加や帰郷を通じた出身地との紐帯を維持する様子が明らかになった。また、ブラジル・サンパウロ州ジュキア線における旧羽地村出身者を事例に、移住後の広域的な居住地移動と職業変化の実態も明らかになった。本研究を通じて、近代から現代における沖縄県出身者の移住先と送出地域との相互関係の全体像を総観することができた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 近代沖縄における海外移民送出の実態に関する再検討―羽地村仲尾次地区を事例に―2022

    • 著者名/発表者名
      花木宏直
    • 雑誌名

      人文地理

      巻: 74-2 ページ: 133-154

    • DOI

      10.4200/jjhg.74.02_133

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi