本研究は、福島の沿岸漁業者が模索する「未来」に関して文化人類学的に考察することが目的であるが、最終年度である2022年度は、研究成果を単著本として出版する準備を大きく進めることができた。特に、2022年度前半は査読者のコメントをもとに追加で文献調査や先行研究を参照しながら、修正や加筆を完了させることができた。2022年度後半では、修正原稿をもとに完成版に仕上げる作業に注力することができた。単著本の完成原稿は2023年度に出来上がる見込みであり、2023年7月に米国、University of Washington Pressより英語で出版される予定である。また、単著本に加えて、2022年度は高校生向けの教科書の1章を担当し、本研究での成果を土台に海のサステイナビリティについて執筆した。他にも、2022年度は出版準備中の編著本分単章が1本あり、本研究の成果をもとに執筆と修正を行った。加えて、最終年度である2022年度は、日本だけでなくアメリカでの現地調査を実施し、本研究の成果を踏まえて、今後の調査に繋げるための有益なデータ収集を行うことができた。最後に、2023年3月には、米国ボストンで開催されたAssociation for Asian Studiesにて、本研究での研究成果をもとに、新たにマルチスピーシーズ民族誌を視座に取り入れた研究について口頭発表を行い、有益なフィードバックを得ることができた。
|