| 研究課題/領域番号 |
17K13597
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| 研究機関 | 立教大学 |
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研究代表者 |
森 悠一郎 立教大学, 法学部, 助教 (60707488)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 基礎法学 / 法哲学・法理学 / 差別 / 平等 / 関係的平等論 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は以下の段階を経て基本課題①「差別の規範理論の内在的検討」の続行と基本課題②「関係的平等論との規範的統合」の遂行を試みた。
第1三半期（4月－7月）においては基本課題①を続行し、具体的にはまず関連文献の精読を通じて(2)差別の反道徳性の根拠論の諸立場の内在的理解を試みた。その上で昨年度行った(1)差別概念論における各立場の暗黙の価値前提の抽出作業結果を元に、(2)での特定の立場が(1)における諸論点でどの立場を採ることと親和的であるのかについての理論的対応関係を提示した。そのような理論的対応関係についての暫定案の一部をIVRJapan国際会議の場で報告した。そして討議及び意見交換を通じて得られた知見をフィードバックして、自説の補強・改定を試みた成果を所属研究機関の紀要『立教法学』に投稿した。
第2・3三半期（8月－3月）には基本課題②の遂行を試み、上で提示した対応関係を元に、私が擁護した正義構想としての関係的平等論が(2)におけるどの立場を最も支持し得るかを考察し、暫定的な結論を提示した。このような差別論と平等論との規範的統合についての暫定仮説を補充して私の関係的平等論の包括的研究である「関係の対等性と正義――平等主義的リベラリズムの再定位（１）～（４・完）」（『法学協会雑誌』第133巻第8～11号）を抜本的に改定したものを、『関係の対等性と平等』という標題で、本年度2月に単著として刊行した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度に予定されていた作業はほぼすべて終了した。
唯一、当初計画していた単著『関係の対等性と平等』の合評会については本年度中に開催できなかったが、来年度の6月1日と7月27日にそれぞれ相関社会科学研究会と東京法哲学研究会で合評会を開催することが（パネリストの人選も含めて）すでに決まっている。
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| 今後の研究の推進方策 |
来年度は本研究全体の総括と発信作業を行う。第1三半期（4月－7月）には前年度に提示した差別論と平等論の統合仮説の補正作業を行う。同期間内には単著『関係の対等性と平等』の合評会を東京法哲学研究会と相関社会科学研究会で開催するとともに、IVRルツェルン世界大会に出張し報告するが、そこでの討議や意見交換で得た知見をも補正作業に反映させる。第2三半期（8月－11月）には次なる研究課題の発展方向を模索する意味で、本研究の知見が憲法学の法の下の平等解釈に与える規範的含意についての論点抽出作業を行う。このような作業に当たっては関連文献の精読に加え、適宜学内の研究会に出席して憲法学者との意見交換を行う。第3三半期（12月－3月）には基本課題①「差別の規範理論の内在的検討」と②「関係的平等論との規範的統合」の遂行を通しての本研究成果の全体概要及び（本研究に関連して著した）単著・学術論文の概要及び目録を、ホームページを作成してその上で公表し、発信する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本年度に本研究費での購入を予定していた図書購入費につき、所属研究機関の個人研究費で支出することができたこと、同じく本研究を充てる予定だった国際学会の旅費につき、所属研究機関の全学予算で支出することができたことにより、所定の次年度使用額が生じた。次年度分として請求した助成金と併せて、国際学会の旅費及び図書購入費に補充する予定である。
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