本研究は、「制度」という概念を基軸に据えて、グローバル化の時代に形成された法秩序の状況を説明する概念モデルを構築するとともに、それに関連する諸課題に一定の解決の方向性を与えることを試みた。本研究では、グローバル化の影響を顕著に反映する法制度及び法実践を踏まえて、またニール・マコーミックの提示する「制度的法理論」を手がかりにして、「制度関係的」な法秩序のモデルを提案するとともに、その方法論的な前提、その内部における法的決定の正当化のあり方、そして、その望ましい秩序構造について一定の着想を提示した。
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