研究課題
若手研究(B)
本研究は、日独の租税実定法において団体に対する租税優遇の根拠とされる「公益」及びその理論的な規整原理として援用される「公共の福祉」という異なる系譜に連なる両概念が、その母法国ドイツの現在有力な見解において、公共の福祉の実現に資する限りで公益を理由とする租税優遇が正当化されるというかたちで結びつくに至る理論史的な過程とその前提を解明するための基礎的な作業を試みたものである。
租税法
本研究は、公益法人という公法学および私法学の接点を軸として、公法人とも営利法人とも区別される私法人(=公益法人)の担う重層的な任務とその国法上の位置づけを解明する前提作業として、国家目的・公共の福祉・任務という諸概念の連関とそこで鍵をなす任務概念の諸相と変容の過程に着目して、その理論史的な意義の再評価を試みた。これにより、公益法人に関する現行法制度をより合理的に理解する為の礎石が築けたと考える。