体感治安の悪化や国内外でのテロ等をうけて、刑事立法活動が活性化している。それらの中には、市民の自由を強く制約しうるものが含まれうるところ、〈よい刑事立法〉でなければその自由制約を受け入れることはできないであろう。では〈刑事立法のよさ〉をどのように評価・分析するか。この点について先行研究は確固たる枠組を構築してこなかった。本研究が提示した刑事立法分析の2段階構造により、憲法に適合せず〈不合格となる法案〉を除外した上で、憲法に適合する法案に対して、「より良い立法とするためにはどうすればよいか」を集中的に議論することが可能となる。
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