日本の裁判所がM&A契約の解釈に困難を感じる主要な原因が、M&A契約のドラフティングは英米法における契約解釈原則である「文言主義」を前提に行われているのに対し、日本の裁判所は、大陸法の契約解釈原則に由来する「客観主義」に基づいて契約解釈を行っていることにあることを明らかにした。英米流の「文言主義」の契約解釈の下で企図されている効果と同等の効果を、日本法の原則の下で実現できるような契約条項を工夫することにより、M&A契約におけるドラフティングと解釈のギャップを埋めることができるという問題解決策を提示した。
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