他人に帰属する権利関係を訴訟上行使する者の当事者適格、及び、当該他人への判決効拡張を肯定するための法律構成について、検討を行った。主な研究成果は以下のとおりである。まず、我が国の訴訟担当概念について、ドイツ民訴法における訴訟担当概念との比較検討を行い、日本型の「並存的訴訟担当」概念を認めることで、民法(債権関係)改正後の債権者代位訴訟における代位債権者と債務者の訴訟上の地位を説明することができるとの解釈を示した。次に、我が国の当事者適格概念の生成過程、及び、ドイツ民訴法における訴訟追行権概念・実体適格概念からの乖離が生じた原因を明らかにした。
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