最終年度もコロナ禍にあり、ご高齢の沖縄の被爆者のかたへの聞き取り調査は難しく、資料調査に集中することとした。その際に、沖縄研究の専門家である沖縄国際大学の秋山道宏准教授に沖縄の戦後史における沖縄の被爆者について沖縄の戦後史の中での沖縄被爆者の位置づけについてご教授いただいた。更に、沖縄県公文書館のアーキビストの方々に戦後アメリカの占領下であった「琉球政府」時代の沖縄の被爆者の資料についてご指導をいただき、資料調査を行った。また、時間の許す限り、沖縄県立図書館で沖縄の被爆者に関する資料調査を行った。 研究期間全体を通して、研究課題であった「沖縄の被爆者調査――証言収集と記録化」に集中し、沖縄の被爆者の被爆体験とその後の自分史についての証言を収集し、記録として残す作業に取り組んできた。沖縄県原爆被爆者協議会のご協力のもと可能な限りの沖縄の被爆者の方々への聞き取り調査とアンケート調査を実施することができた。研究期間中にコロナ禍となり、ご高齢の被爆者への聞き取り調査が非常に困難な状況に陥ったが、その中でも最善を尽くして研究に取り組むことができた。本研究を通して、沖縄の地域特性の中での沖縄の被爆者の姿を研究として提示することを目的をしていた。本研究では、広島・長崎の被爆者と沖縄の被爆者の戦後史を比較と関係の視点から検証することにあった。本研究を通して、沖縄独自の地域性を踏まえて「沖縄の被爆者」について分析を行い、その成果を論文として学術雑誌に刊行した。
|