主に3点を発見した。1)ポスト難民危機期の欧州諸国において,極右政党支持や反移民感情に代表される排外感情は,個々人の社会経済的劣位にではなく文化的保守性によって影響を受けている。欧州統合に対する政治的不信感の影響力も大きい。2)選挙動員により人々の政治意識が変動する効果は,極右支持者より政府首班政党支持者の方が大きい。前者の排外主義感情は安定している。3)政治関心の低い層は,選挙時に排外主義的感情が高める傾向があり極右政党からの動員効果が示唆される。 上記知見は既存サーベイ(主にEuropean Social Survey)と本研究費支援により独自実施した世論調査の分析に基づく。
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