研究課題/領域番号 |
17K13679
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大槻 一統 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (00779093)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 選挙不正 / 選挙監視 / 数理モデル / ゲーム理論 / 実験 |
研究実績の概要 |
【仮説の構築】本年度は、第一に、昨年度に完成させた数理モデルを元に、その実証のために実施する実験で検証する具体的な仮説を立てた。第二に、仮設を構築するにあたり問題となった理論の箇所を修正した(以下に詳述)。第三に、二つの国際学会においてを報告を行った。 【理論の修正と実験のデザイン】仮説の構築にあたっては、数学的に表現される理論と、言葉によるシナリオを使用した実験との接合に特に注意を要する。具体的には、政治学や数理モデルの知識を持たない被験者にシナリオや刺激を与えるにあたって、抽象的な理論を平易な言語的表現に置き換える必要が生じる。しかし、このプロセスにおいての「翻訳作業」が過度になると、理論と実験の間に乖離が生じる。この問題を踏まえ、理論に軽微な修正を施した。この修正された理論をもとに、実験のデザインを行った。実験のデザインにあたっては、ニューヨーク大学所属の実験政治学の専門家にアドバイスを求めた。本格的な実験は来年度に実施される。 【国際学会報告(審査有)】Midwest Political Science Association Annual Conference、European Political Science Association Annual Conference(題:「Election Monitoring and Government Performance: Theory and Experiment」)
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理論部分の修正が本格的な実験の実施に先んじる形になったが、全体の進行としては概ね予定通りである。特に、複数の国際学会で理論の報告をすることができ、多くの有益なフィードバックを得ることができた。また、学会の討論者から受けたコメントを元に、本プロジェクトの発展・拡張に繋がる着想を得たことも大きな成果であった。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度には、実証部分を完成させ、論文を執筆する。既に国際学会と国内学会での発表が予定されており、そこで得られたフィードバックに基づき最終的な修正を行い、英文学術誌への投稿を開始する予定である。
|