研究課題
若手研究(B)
本研究は、日本軍の真珠湾攻撃を受け、第二次世界大戦に参戦したあと、ローズヴェルト米大統領によって推進された中国大国化構想の包括的理解を目指したものである。その構想についてよく参照される研究に、五百旗頭真『米国の日本占領政策』(中央公論社、1985年)第四章「ローズベルトの東アジア構想」がある。本研究では、最近のアメリカ外交史研究の発展を踏まえ、五百旗頭氏の研究に補足的説明を加えることで、中国大国化構想の深い理解に努めた。
アメリカ外交史
ローズヴェルトの中国大国化構想は、戦後アジアに対する「ビジョンのエッセンス」をなすものだったと言われるほど重要な戦後構想の一つであった。その解明に努めることは、アメリカ外交史研究において大きな意味を持つ。また中国大国化構想に対する深い理解は、現代の大国中国に対するアメリカの政策を見る際にも助けとなる。特に、かつてアメリカがどのような考え、期待、あるいは条件に基づき中国の大国化を推進したのかを知ることは重要な現代的意義を持とう。