研究課題/領域番号 |
17K13695
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
神江 沙蘭 関西大学, 経済学部, 准教授 (90611921)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 欧州統合 / 金融安定化 / 金融危機 / ユーロ / 政治学 / ドイツ |
研究成果の概要 |
本研究では、ユーロ危機前に欧州金融機関はなぜリスクを拡張させたか、ユーロ危機対応を制約した要因は何か、危機後に作られた制度は当初の意図に沿って運用されたか等を検討した。ユーロ危機前のリスク拡張の問題については、欧州の分権的金融監督システム、1990年代から2000年代頭の国際金融規制(バーゼル合意)での規制緩和が与えた影響等について分析した。ユーロ危機対応の交渉については、ドイツ国内での危機の原因についての解釈が与えたインパクトと危機の深刻化に伴うドイツ政府の立場の変容について検証した。危機後の改革については、イタリアの銀行破綻処理にみられる銀行同盟の限界等について検討している。
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自由記述の分野 |
国際政治経済学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、2008年リーマン・ショック後の回復を妨げたユーロ危機の背景や危機対応を分析しており、国際経済や欧州統合にとって重要な問題に焦点を当てている。また本研究は、欧州・国際レベルでの金融監督協力の問題が金融安定性に及ぼす効果を検証しており、グローバル化時代にいかに経済ガバナンスを構築するかという学術的課題に応答するものである。特に金融ガバナンスにおける政治の役割についてはその社会的重要性に関わらず先行研究の蓄積が十分ではなかった。本研究はユーロ危機後の制度形成や運用において、ドイツやイタリアの政治状況やその政策選好がどのように反映されたかを分析しており、その学術的・社会的な意義は大きい。
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