1.状態依存型の名目賃金設定の下で長期的な均衡は唯一存在することを示した論文、Does State-Dependent Wage Setting Generate Multiple Equilibria?(KIER Discussion Paper Series、No.991)を英文査読誌(Macroeconomic Dynamics)に投稿し、エディターやレフリーのコメントを基に、結果の頑健性の確認などの改訂を行った。そして、A Note on the Uniqueness of Steady-State Equilibrium under State-Dependent Wage Settingという論文として受理された。
2.前年度に引き続き、家計の異質性を含むモデルを用いて、借入制約が労働時間や経済厚生に与える影響を分析した。数値計算による分析の結果、借入制約の変化は経済全体の労働時間に大きな影響を及ぼさない可能性が高いことを明らかにした。また、借入制約が緩むと、経済厚生が悪化する可能性があることも示した。これらの結果をThe Effects of Borrowing Limits on Hours Worked and Welfareという論文にまとめ、国内外の研究会・学会で報告し、得られたコメントを基に改訂を行った。そして、英文査読誌に投稿し、改訂後再投稿要求を受けた。
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