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2020 年度 実施状況報告書

賃金調整、金融市場、金融政策

研究課題

研究課題/領域番号 17K13700
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 修平  京都大学, 経済研究所, 准教授 (60645406)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード状態依存 / 名目価格 / 名目賃金 / 複数均衡 / 労働時間 / 経済厚生
研究実績の概要

1.異質な家計モデルを用いて借入制約が労働時間や厚生に与える影響を分析した論文('The Effects of Borrowing Limits on Hours Worked and Welfare')については、査読者からのコメントを基に改訂を進めた。特に、データとの整合性や論文の結果の頑健性について分析を行った。

2.長期的なインフレ率が負の場合(デフレーションの場合)に、状態依存型の名目価格設定の下で複数の均衡が存在するか分析を行った。具体的には、状態依存型価格設定モデルとして代表的なものであるDotsey, King, and Wolman (1999)のモデルを用いて均衡の唯一性について分析を行ったJohn and Wolman (2004, 2008)の研究を、デフレーションのケースに応用した。そして、デフレーションの場合はインフレーションの場合よりも均衡が唯一である可能性が高いことを理論的に明らかにした。例えば、インフレーションの場合は割引因子が1に近づくときに複数均衡が排除されるが、デフレーションの場合は割引因子が0から1のどの値をとっても複数均衡が排除される。それらの結果を'The Uniqueness of Steady-State Equilibrium under State-Dependent Pricing: The Case of Deflation'という論文にまとめ、英文査読誌に投稿した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまで、(1)状態依存型賃金設定の下での均衡の唯一性、(2)借入制約と労働時間の関係、(3)状態依存型価格設定の下での均衡の唯一性という3つのプロジェクトを進めた。(1)については英文査読誌に採択され、(2)は英文査読誌から改訂要求を受けており、(3)は英文査読誌に投稿中である。

今後の研究の推進方策

借入制約、労働時間、厚生に関するプロジェクトについては、モデルとデータの整合性などの確認を引き続き行い、論文の改訂を進める。また、状態依存型価格設定の下での複数均衡の可能性をデフレーションの場合について分析した研究については、解析的な分析だけではなく、数値計算を用いた分析も行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症に伴い研究集会が中止になるなど計画通り研究を進めることができなかったため。

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公開日: 2021-12-27  

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