研究成果の概要 |
研究期間全体を通じて下記の論文2本を査読付国際雑誌に掲載することが出来た。 研究1:Financial Contagion in a Two-Country Model,Journal of Money, Credit and Banking, 54(7) (October 2022): 2149-2172 研究2:Banks and Liquidity Crises in Emerging Market Economies, Journal of Economic Dynamics and Control, 94 (September 2018): 43-62
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究1では,ある国の流動性不足が世界資本市場を通じて他国に波及するという金融危機伝播が生じるメカニズムを解明した.さらに,この様な均衡は両国が閉鎖経済である場合よりも,開放経済の方が経済厚生が低下する可能性があることを示した.1970年代以降の世界的な金融自由化によって金融危機の頻度が上昇した事実と整合的であり,金融自由化のタイミングが経済厚生及び金融安定化にとって非常に重要であることを示唆している.研究2では急激な資本流入がいかに資産価格の急上昇と急降下,またそれに伴う銀行システムの崩壊を生みだすのかを理論的に解明した研究である.資本の流入規制等が銀行システムを不安定化させる可能性を示した.
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