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2018 年度 実施状況報告書

内生的な処置変数が測定誤差を伴う因果推論モデルの研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K13715
研究機関京都大学

研究代表者

柳 貴英  京都大学, 経済学研究科, 特定講師 (30754832)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード計量経済学 / ミクロ計量経済学 / 政策評価 / 測定誤差
研究実績の概要

平成30年度前半には平成29年度までの研究成果をまとめた論文を改訂・投稿し,計量経済学の国際学術雑誌Econometric Reviewsでの掲載許可を得ることに成功した.掲載許可を得た論文はEconometric Reiviewsのウェブサイト(https://doi.org/10.1080/07474938.2018.1485833)において公開されているとともに,プレプリント・サーバーのarXiv(https://arxiv.org/abs/1804.03349)およびSSRN(http://dx.doi.org/10.2139/ssrn.3065923)においても公開されている.
平成30年度後半には,平成29年度の実施状況報告書にも記載したとおり,平成29年度までに得られた研究成果の回帰不連続デザインにおける測定誤差の問題に対する拡張を検討した.平成29年度および平成30年度の研究実績として,回帰不連続デザインにおける測定誤差の問題に関する次の結果を得た.第1に,回帰不連続デザインにおける処置変数が測定誤差をもつときには,測定誤差の存在を無視した従来の推定量では回帰不連続デザインにおける因果推論パラメータを一致推定できないことを示した.第2に,回帰不連続デザインにおける因果推論パラメータの一致推定量を得るための新しい識別・推定手法を開発した.第3に,開発した推定手法の理論的性質を導出することに成功した.第4に,開発した識別・推定手法を実演するためのモンテカルロ・シミュレーション実験および実証分析を展開した.これらの研究成果をまとめた論文を研究集会で報告するとともに,国際学術雑誌に投稿した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

局所平均処置効果モデルに関する論文の国際学術雑誌での掲載許可取得は当初の研究計画では平成31年度内を予定していたが,これを平成30年度内に達成することに成功している.さらに,回帰不連続デザインにおける測定誤差の問題を扱った論文も,平成30年度内に国際学術雑誌に投稿できている.回帰不連続デザインに関する論文については,投稿先の国際学術雑誌から論文の改訂要求を得ることは叶わなかったが,論文の改訂方針を検討するために参考となるコメントを得ることに成功している.そのため,平成30年度末における現在までの進捗状況は当初の計画以上に進展していると言える.

今後の研究の推進方策

平成31年度には回帰不連続デザインに関する論文を改訂するために必要となる最新の文献情報を国際学会等で収集した後に,論文の改訂に着手し,改訂した論文を国際学術雑誌に投稿することを目指す.特に,平成30年度内に投稿した国際学術雑誌の編集者および査読者のコメントを参考にしつつ,シミュレーション実験および実証分析を中心的に改訂する.
もし回帰不連続デザインに関する論文の改訂が予定よりも早く完了したときには,平成29年度の実施状況報告書にも記載したとおり,測定誤差が存在するときの因果推論における分布処置効果・分位点処置効果の識別・推定手法の開発に取り組む予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Inference on local average treatment effects for misclassified treatment2019

    • 著者名/発表者名
      Takahide Yanagi
    • 雑誌名

      Econometric Reviews

      巻: 38 ページ: 938-960

    • DOI

      10.1080/07474938.2018.1485833

    • 査読あり
  • [学会発表] Regression Discontinuity Designs with Nonclassical Measurement Errors2019

    • 著者名/発表者名
      柳 貴英
    • 学会等名
      関西労働研究会

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公開日: 2019-12-27  

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