公共工事の入札の研究は、総合評価方式の下で、指名競争入札から一般競争入札へ移行したことの効果を、入札時点と工事完成後の価格及び工事期間を含む工事の品質の情報を使って計測する実証分析であった。分析結果としては、一般競争入札は価格を低下させて工事の遅延を減少させることが分かった。一方、国債の発行市場の研究は、交渉からオークションへ移行したことの効果を価格と発行の失敗(交渉の決裂ないしは入札での需要が極端に少なくて国債が発行できなくなること)という観点から実証分析した。分析結果としては、オークションは交渉に比べて価格が高くなるが、発行の失敗が多くなるという効果はないことが分かった。
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