学術的意義は二つある。まず、内戦の経済的影響に関する統計分析は、統計データの存在しない地域については見過ごされてきた。旧ソ連の未承認国家はまさにそのようなケースである。また、内戦後の経済復興過程における政治制度の役割は、ほとんど分析されてこなかったトピックであり、未承認国家は、政治制度の一例である。社会的意義は、2014年のウクライナ危機で新たな未承認国家が生まれたように、今後も未承認国家が新たに増える可能性があり、その経済的結末を明らかにすることで、未承認国家問題を解決する重要性への含意を得ることである。
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